再生 > 進化をカタチにして活かす。それが新素材『リフモ』の役目です。

リフモとは門倉貿易が繊維リサイクル率の向上を目指して、
公的助成金を受けながら開発を行った100%繊維系廃材からできたリサイクル素材です。

繊維廃棄物を加熱・加圧成形して開発した新素材であるリフモは木材・プラスチックの代替品に留まらず、特性を活かした独自素材として利用されており、様々な分野からさらなる期待が寄せられています。

※リフモrifmoとはイタリア語のritmo(リズム)とrecycle(再生利用)fabric(繊維製品)model(モデル)を組み合わせた造語で、繊維リサイクルと暮らしが調和して1つのリズムとなるように、との思いから名付けられました。

2013年6月「エコマーク」の認定を取得しました。

作品タイトル

繊維系廃棄物のリサイクルの現状

家庭から排出される古着、古布など繊維系廃棄物は年間200万トン以上ですが、リサイクル用途はウエス(機械拭きの雑巾)、輸出向け古着、反毛(綿に戻して再利用)等と非常に限られており、リサイクル率はわずか10%程度で今後も大幅に増える見込みは難しいのが現状です。

しかし、環境意識の高まりにより、回収組織の構築や繊維リサイクルを推進するための行政回収の開始等、回収量は増加傾向にあり、今後繊維系リサイクルを発展させていくには新たな用途開発が必要とされています。

<日本における繊維リサイクル率>
約10%(平成13年度経済産業省「繊維製品リサイクル懇談会」報告)

門倉貿易株式会社の歴史・リフモができるまで

門倉貿易は戦後から古繊維の取引に深く携わってきました。

当時は綿素材の衣類が主流で、中古衣料に向かないものもウエス材料として価値がありましたが
経済の発展に伴いポリエステルなど化学繊維の衣類が増加。
吸水しない化学繊維はウエスには適さないため、一部工業用フェルトで再利用される以外には
使い道が無く廃棄されてきました。

門倉貿易ではそのリサイクル状況に危機感を覚え、廃棄される大量の衣類の「新たな使い方」を大学と共同研究し
擬木(後のリフモ)を開発しました。
その後、実用化に向け自社工場内で試行錯誤し、今日のリフモ製造・販売に至りました。

1946年

戦後、ウエスや再生用繊維屑の海外輸出会社として門倉貿易を
兵庫県神戸市に創業。

1955年

門倉貿易株式会社を設立。
中古衣料やウエス製品など中古商品輸出専門会社として拡大し、
1970年代には繊維屑輸出量が日本一になる。

1989年

ウエス製品の国内販売を開始。

2001年

京都市染織試験場(現 京都市産業技術研究所繊維技術センター)の八田誠治氏、京都工芸繊維大学木村先生と共に繊維系廃棄物の有効なリサイクル化の研究開始。

リフモ第一号

2002年

繊維系廃棄物を原料にした木材代替材「擬木」の製造技術を開発。
兵庫県小野市に実験場と倉庫を兼ねた小野工場を設置。

2005年

繊維系廃棄物の擬木へのリサイクル実用化に向け
兵庫県たつの市にたつの工場を新設
品質向上を目的として中古衣料の選別・ウエス加工を内製化。

2008年

擬木からリフモへ名称を変更。壁面緑化材「タテニワ」の開発。
リフモのエコマーク認定を取得。
標識の基材に採用されるなど新たなリサイクル素材として注目される。

2014年

産業資材・インテリア内装材としての販売が本格化。
工場での木材代替、店舗什器などに使用される。

2016年

リフモの敷板用途での販売が本格化。
工場現場やゴルフ場など様々な場面で使用される。

2020年

リフモの敷板用途でNETISに登録。
白色リフモの製造販売を本格化。

※リフモ開発への公的助成は同ページ下部の「リフモ開発に対する公的助成」をご参照下さい。

リフモの特長

軽量・汎用性
リフモの平米重量(12mm厚)はわずか7.2kgと軽量な為、持ち運びが容易です。

鋸で用意にカットできるので、用途に応じた形状加工が可能です。
腐食・変形の心配がない
耐水性のあるリフモは、木材のような腐食がありません。

直射日光や温度変化による変形もないので屋外での長期使用も問題ありません。
丈夫で割れにくい
リフモは繊維が絡みあう事で、丈夫で割れにくい構造をしています。

重量物を載せても耐えられ強度を持ち、物流センターのパレットの天板などにも使われています。
釘の保持力が強い
建築や梱包資材としては、釘が打てる上、保持力が強い性質が活かせます。
打ち直した釘が既存の釘穴に重なった場合も十分な保持力を発揮するので
施工もスムーズ。
風圧や負圧への優れた強度も確認済みです。

リフモとSDGs(持続可能な開発目標)

近年、SDGsの観点からリサイクル・サステナブル素材が注目されています。
リフモを活用することでどのような目標を掲げられるのかご紹介いたします。

古着・古布に新たな価値と活躍を

リフモは様々な特長と意匠を持つ素材であり、既存の木材・プラスチック・ゴム素材にはできなかった用途・商品を提供できます。着なくなった衣類は「ゴミ」ではなく「資源」であるという価値を創造し、衣類リサイクルを推進することができます。

 

 

 

 

繊維系廃棄物100%が“見える”エコ素材

 

リフモはこれまで活用できずに廃棄されてきた衣類など繊維系廃棄物だけで出来ています。
リフモを使うことで衣類の廃棄削減に貢献できる他、繊維が見える意匠性でリサイクル・サステナブルを視覚的にアピールできます。

 

 

 

繊維のまま活かす

 

化学的な分解で化繊を樹脂原料へリサイクルするケミカルリサイクルではなく、
繊維のまま利用するマテリアルリサイクル品のリフモは環境負荷が少ないです。
また2種類以上の素材が混ざった糸(混紡)も原料に使えます。

 

 

 

リフモを使う=木材を使わない

ベニヤ板や合板の代わりに高耐久・長寿命・腐食しないリフモを用いることで木材の使用量を削減し、
産業資材目的で伐採される森林を保護することが出来ます。長期使用によるコストメリットの他、
木のささくれによるケガ防止も期待できます。

 

 

 

 

 

門倉貿易のSDGsへの取り組み

回収された衣類は見た目や質感も様々で、その選別には人の手が欠かせません。弊社では高齢者や障がいをもつ方も積極雇用し、地元に根ざした会社を目指しております。
また、全国の障がい者施設へウエス製造の技術支援やウエス用の古着を供給しております。

 

 

 

 

弊社は関西・中国地方を中心に衣類回収を積極的に行い、リユース出来る衣類以外は海外へ出さない取り組み(国内で完結する衣類リサイクル)を続けております。
リフモの活用を広げることで衣類リサイクル率をさらに向上させ、リサイクルやゴミ問題に取り組む市町村のまちづくりに貢献して参ります。

 

 

 

 

自社工場内で使用する木・プラスチック資材を順次リフモへ切り替えて産業廃棄物の削減に取り組んでおります。

 

 

 

 

【映像】 2分半でわかる「リフモができるまで」

材質の性能試験結果

  リフモ
引張試験 JIS K7161-1 33.7Mpa
圧縮試験 JIS K7181 100Mpa※
曲げ試験 JIS K7171 36Mpa
滑り抵抗試験 ASTM E-303(乾燥) 111BPN
※100Mpa≒1万t/㎡ ⇒ 400t/0.04㎡(タイヤ接地面積)強固な地面の場合、耐荷重80トン(実績値)

 

リフモ開発に対する公的助成

平成14年~16年度
・創造的中小企業技術開発費補助事業(兵庫県新産業創造プログラム) 「繊維屑を用いた梱包用木材代替材の開発研究」

平成17年~18年度
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)産業技術・実用化開発事業費補助事業 「繊維系廃棄物の擬木へのリサイクル技術の実用化研究開発」

平成20年~21年度
・近畿経済産業局地域イノベーション創出研究開発事業 「繊維リサイクル技術の特性を発展利用した壁面緑化材の開発」

平成25年
・中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業

平成30年
・ひょうごオンリーワン企業等認定・支援事業


頂いた古着でリフモを作成し、お渡しすることが可能です。
エコ活動・CSR活動への貢献や、SDGsへの取り組みにご活用ください。

※自治体・企業・団体様に限ります。
加工費用や必要となる古着の量などはお問い合わせフォームまで